セレクション受けてみたシリーズの続きでこれが最後になります。
手紙を海くんに渡して、「開けてごらん。」というと
「うう〜、ドキドキする・・・」と言って、封を開けて中から手紙を取り出しました。
しばらく手紙を読んでから、
「ん?どういうこと?」
海くんの眉がへの字になっています。
どうやら書いてある文章の意味が分からないようです。
母ちゃんがどれどれと代読してくれました。
なるほど。低学年には分かりづらいほど丁寧な文章で書いてあります。
要約すると
「不合格。また来年チャレンジしてね。」
でした。
それを海くんに伝えたところ
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
と言ってその場で泣き始めてしまいました。
それを見て
(海くん、本当に本気だったんだな)
と思いました。
私は大人なので計算ができてしまいます。
スクールでも下手っぴ。クラブチームでも下手っぴ。であれば、強豪チームのセレクションなど断トツの下手っぴだろうと。
事実そうでした。ミニゲームでは取り繕いようのない実力差がありました。
はっきり言って万に一つも選ばれる可能性はなかったです。
でも、海くんは本気でした。
だからこそ声を出して勇気を持って自陣のゴール前でパスを受けに何度も何度も走って戻りました。
リフティングでは自分の実力以上のものを発揮しました。
リフティングだけは贔屓なしにトップクラスだったかと思います。
海くんの涙を見て、セレクションを振り返って、
(ああ、ちょっと、いや、かなり悪いことしたかな。)
と思いました。
海くんがセレクションを受けたいと言ったとき、
私は意識の高い子たちとやれば、良い刺激になるとか、
チャレンジすることに意義があるとか、
落ちる前提でメリットを計算して受験させてしまいました。
本当は、海くんに一番近いサポーターとして受かるために出来ることをしてあげるべきだったんじゃないか。
そんな思いが込み上げます。
私「海くん、泣くことないよ。だって、海くんはいっぱいいいプレイできてたじゃんか。」
海「・・・。」
私「スルーパスなんかヤットさんみたいだったぞ!」
海「・・・ほんと?」
私「ほんとだよ。たくさん上手くなってるよ。また大好きなサッカーしような。」
海「うん!」
海くんの凄いところは引きずらないところです。
すぐに元気になってくれました。
海くんは来年また同じセレクションを受けたいといいます。
海くんの成長はカタツムリの歩みのようにゆっくりゆっくりですが、着実に前に進んでいます。
また来年受けるのであれば、私も「本気で受かる!」という気持ちで望めればよいなと感じています。