その子は背番号10を付け、縦横無尽にドリブルして守備網を破壊してチームに勢いをもたらします。
海くんのチームは、その一人を抑えるべく、ある判断をします。
コーチ「海くん、10番マンマークね。」
海くん「・・・?う、うん。」
歯切れの悪い返事。
海くんは、マンマークと言われた意味を全ては理解しきれていませんでした。
海くんは、特段守備がうまいわけでもなく(むしろどちらかというと下手)、さらに迷いのある中での守備で、エースの相手など務まるわけもなく・・・。
当然のごとく作戦は失敗に終わります。
相手の10番にボールが渡るたび、コーチからの怒号が飛びます。
「誰のマークだー!!(怒)」
ピッチ外からの檄もむなしく、10番くんは涼しい顔でゴールネットを揺らします。
海くんも結局最後まで立て直せないまま試合が終わります。
海くんが混乱した点は2つありました。
1つは、海くんたちは今まで、ゾーンディフェンスで守備をしていたことです。
マンツーマンディフェンスは初めてだったし、なにより、他の子にはマンツーマンの指示は出ていなかったので
海くんだけがマンマークで、他の子はゾーンディフェンスというミックスディフェンスだったようです。
バスケでは、そんなディフェンス聞いたことありますが(ボックスワン?)
わたしはサッカーでのミックスはあまり馴染みがなく、「陣形無視して動いていいの?!」と混乱した海くんの気持ちはわかるなぁと。
あと1つは、攻撃参加についてです。
ショートカウンター気味の攻撃をされたときに
「マークついてたんじゃないの!なんで攻撃参加してんの!」
とコーチから怒られてました。
確かに、攻撃のときはマーク外してしまうので、ショートカウンターになると、対応ができなくなってしまいます。
マンマーク採用してるチームって攻撃→守備の対応のときってどうしてるんでしょうか。
どうしたってしっかりマークつくまで時間かかってしまうと思うんですよね。
やっぱり、マンマークと言われた時点で攻撃参加はしないことが大前提ということだったのか・・・。
なんて大人でも「?」がつくので、海くんは尚更混乱したと思います。
次回までに海くんと二人で答えは見つけたいと思っていますが、如何せんミックスディフェンスを聞いたことがないので困っています。
海くんはマンマークを採用してるコンサドーレ札幌の試合を研究してみると息巻いてましたが、答えにたどり着くのは難しいんじゃないかな〜と思います。
まぁ、どうするべきだったのかコーチと話してみてよ。と海くんには伝えました。
振り返って対話することで、海くんと海くんのチームの戦術理解が深まればいいなぁと思います。