負けると、システム変えてみたり、ポジションをチェンジさせてみたり、スタメンを変えてみたり試行錯誤したくなりますが、
きっと、原因はそこじゃないんですよね。
試合の様子をじーっと観察すると敗戦の原因が見えてきます。
じーっと観察しないとなかなか見えてこないのは、高学年になって球際が強く激しさを増してきたことに理由がある気がします。
厳しくプレスされると、うまくボールをキープできなかったり、運べなかったりします。
お互いにルーズボールの激しい取り合いになりますが、そこの場面で手を抜いてる子なんて一人もおらず、高学年ならではの迫力満点の奪い合いになります。
そして、なんとか身体を張ってマイボールにして、奪われ返されないように首の皮一枚でキープして、なんとか一瞬マークを剥がして、味方へのパスを送る。
でも、ギリギリのプレーだから、パスの精度が悪くなって、結局相手に取られてしまった。
惜しい。あと一息。次こそはきっと上手くいく。
このちょーっと惜しい感じ。これが、我々の目を曇らせます。
この激しく取り合いになる直前のプレーに注目すると、本当の敗戦の原因が見えてきます。
例えば、味方キーパーからゴールキックからのパスを受けて、パスなりドリブルなり次のプレーをする際に
しっかり次のプレーをしやすいところへボールを止めることができているか。
さらに言えば、ボールを止める判断はそもそも正しかったのか。
さらにさらに言えば、パスを受ける位置はそこで正しかったのか。
さらにさらにさらに言えば、キーパーがパスを出すのは、その選手で正しかったのか。
時間を戻せば戻すほどやるべきことが見えてきます。
ボールの激しい奪い合いは、その前段での細かな選択ミスやプレーミスの積み重ねの結果生じたものとも言えます。
そもそもガチャガチャ奪い合いになる前に、もっとフリーで受けて、フリーの選手に繋げる工夫は無かったのかと。
失点に直接関与した目につきやすいミスだけを修正しようとすれば、システム変更やポジション変更に目を向けやすくなりますが、
時間を戻して理由を掘り下げることで、それが改善策として正しいことかどうかが分かる気がします。
なぜなら、その原因って、多くは個人というよりはチームとしての基礎技術やサッカー脳にあるのではないかと考えるからです。
分かりやすい球際だけを敗因とするのではなく、基礎技術から差がついていることに気づいて、子どもたちと共有することが、チームとして強くなるのに必要なことかなと考えています。